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おしゃれで異国情緒あふれる港町
 神戸市が、神戸のイメージを調査したところ、次のような結果が出ました(神戸のイメージ調査結果について)。2002年の調査(右)は、東京、仙台、福岡の街中で300人ずつを対象に行ったものです。1977年(左)は、東京、仙台の人が対象で、福岡は含まれていません。25年が経過していますが、「おしゃれで異国情緒あふれる港町」というイメージは変わらないようです。

 神戸の都市像について尋ねたところ次にような結果がでました。こちらでも「おしゃれで異国情緒あふれる観光都市」という印象が圧倒的です。なお、1977年のデータはありません。

 神戸を代表する観光地を一つだけ挙げてもらったところ、次のようになりました。異人館街、三宮・元町、メリケンパーク、旧居留地、南京町、ハーバーランドといった中央区の市街地中心部が半分以上を占めています。なお、データは2002年のものです。


北野異人館街は、根強い人気
 行ってみたい所を2ヶ所挙げてもらったところ次のようになりました。
 人気観光地は、有馬温泉、北野異人館街、六甲・摩耶、明石海峡大橋、ポートアイランド、六甲アイランドの順です。明石海峡大橋は1998年に開通したばかりで、ポートアイランドでは1981年に博覧会が開かれており、六甲アイランドでは神戸ファッションプラザが1997年に開業したばかりで、注目が集まっていたものと思われます。

 1977年に、一番行ってみたい所を尋ねたところ次のような結果が出ています。1977年に人気6位だった有馬が25年後にはトップになっています。北野異人館街は、根強い人気で2位をキープしています。

 
観光の主役が、リゾートから市街中心部に
 1977年から2009年にかけて、神戸市の入込観光客数は右肩上がりで増えています。「1981年の急激な増加は神戸ポートピア博覧会の開催によるもので、1995年の激減は、阪神・淡路大震災による影響」です(都市観光地神戸の変遷に関する予備的考察 )。

 六甲・摩耶は、かつては中心的観光地でしたが、大震災で客数が落ち込んで以来、以前の水準は回復していません。須磨・舞子、有馬は大震災で落ち込んだものの、以前の水準を回復しています。

 市街地には、三宮、元町、南京町、旧外国人居留地など、中心部の商業地域が含まれていますが、2000年に入って客数が急増しています。神戸港は、大震災で落ち込み、以前の水準は回復していません。北野は、安定した人気を維持しています。なお、1993年の急増は、アーバンリゾートフェア’93の開催によるものだそうです。

 1977年と2009年での各エリアの占める割合を示すと次のようになります。1977年には、六甲・摩耶、須磨・舞子、有馬で75%を占めていましたが、2009年には、市街地、北野、神戸港、ルミナリエで6割近くを占めるようになっています。観光の主役が、リゾートから市街中心部に変化しています。


3500万人で安定的に推移
 神戸市の近年の観光客数は次のようになっています(観光に関する統計・調査)。
観光入込客数(万人) 2015 2016 2017 2018 2019 2020
日帰り客 1,799 1,661 1,858 1,754 1,742 968
宿泊客 529 506 536 451 477 260
行祭事・イベント 1,290 1,332 1,539 1,333 1,323 335
3,598 3,500 3,933 3,538 3,542 1,563
観光消費額(億円)
日帰り客 1,630 1,464 1,507 1,788 1,514 772
宿泊客 2,056 1,718 1,936 1,683 1,758 963
3,686 3,182 3,443 3,471 3,272 1,735
 コロナ禍以前は、総数3500万人余り、日帰り客1700万人前後、宿泊客500万人前後、行祭事・イベント1300人余りで、安定的に推移していました。2017年は、神戸開港150年記念イベントで、行祭事・イベント客数が増えています。宿泊客は日帰り客に比べ4倍近く消費しています。
 2019年の近畿4府県の観光客数は次のようになっています(令和元年度 兵庫県観光客動態調査報告書令和元年度 京都府観光入込客調査報告書奈良県観光客動態調査報告書大阪府観光統計調査)。大阪は2010年のデータです。
兵庫県(神戸市) 13,651(3,542)
京都府(京都市)  8,791(5,352)
奈良県(県北部)  4,502(1,613)
大阪府(大阪市) 15,683(11,595)

日常生活圏を離れ、旅行、滞在
 国土交通省観光庁は、2009年に観光入込客統計に関する共通基準を定め、2013年に一部改訂しています(共通基準による観光入込客統計)。
 共通基準では、次のように定義しています( 観光入込客統計に関する共通基準)。
観光 余暇、ビジネス、その他の目的のため、日常生活圏を離れ、継続して1年を超えない期間の旅行をし、また滞在する人々の諸活動
観光地点 観光・ビジネスの目的を問わず、観光客を集客する力のある施設又はツーリズム等の観光活動の拠点となる地点を意味し、日常的な利用、通過型の利用がほとんどを占めると考えられる地点は対象としない
観光入込客 観光地点及び行祭事・イベントを訪れた者
観光入込客数 1人の観光入込客が当該都道府県内の複数の観光地点を訪れたとしても、1人回と数える
 観光とは、「日常生活圏を離れ、旅行、滞在する」こと、ということですから、観光旅行がイメージされます。
 一方、観光入込客とは、「観光地点、行祭事・イベントを訪れた者」となっています。そして、観光地点とは「日常的な利用がほとんどを占める地点以外の集客力のある施設」ということですから、地域のスーパーや商店街以外の商業施設も含まれることになります。
 観光地点や行祭事・イベントを訪れた人を、観光旅行者と地元民で区別することはできませんから、結局すべて観光入込客とカウントせざるを得ません。つまり、観光=観光旅行とは言えないことになります。
 さらに、複数の観光地点を訪れたとしても、それぞれ1人分が加算されますから、地元に人気の施設を観光地点に加えれば、それだけ観光入込客数は増えることになります。

IKEA神戸も観光地点?
 令和元年度の神戸市観光動向調査では、次の地点で観光入込客に各種調査を行っています(令和元年度 神戸市観光動向調査について)。王子動物園やIKEA神戸、神戸三田プレミアムアウトレットも、観光地点に含めているようです。


北野異人館街は、旅行客に人気
 上記の調査で、観光入込客に居住地を訊ねたところ次のようになりました。北野異人館街では、半数以上が遠方からの旅行客で占められています。次いで、有馬温泉では遠方客が4分の1強を占めています。一方、須磨・舞子では、地元民がほぼ9割を占めています。