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港湾施設拡張が主な目的
 ポートアイランドは、第1期(1966〜80年)で北半分、第2期(1986〜2005年)で南半分が造成されました。次の図(新都市整備事業の概要 - 兵庫県)が示すように、第1期では、4分の3近くが、埠頭・港湾機能・道路護岸等用地が占め、第2期でも、半分近くが、埠頭・港湾物流機能用地が占めています。つまり、ポートアイランドは港湾施設を拡張するのが主な目的の人工島であったといえます。
 一方、 住宅地は第1期の5.2%、23haのみですから、ポートアイランド全体では、港湾施設と業務・工場施設用地が大半を占めています。
 第1期で、1970年に水深12メートルのコンテナターミナルPC1が供用開始し、その後11バースが整備されましたが、人工島が完成したころには大型化したコンテナ船に対応できなくなり、コンテナターミナルは現在では公園や大学敷地となっています。第2期では、水深15〜16メートルの大水深高規格コンテナターミナル(6バース)が整備されました(海空陸の総合ターミナル 港湾施設)。しかし、その後コンテナ船はそれを上回る大型化を続けています。


市の平均を上回る高齢化
 2015年時点のポートアイランド(港島地域)の人口は14,923人です(中央区地域の基礎データ港島地域の統計版)。計画人口は20,000人ですから計画には到達していません。ただし、2000年以降の15年間で人口はほとんど変わっていません。65歳以上の人口比率は年々上昇し、2015年時点で29.0%に達しています。2022年1月現在、神戸市全体で28.6%ですから(神戸市:人口統計)、ポートアイランドの高齢化は、すでに神戸市平均を上回っています。
 当初の計画では、住宅用地の半分以上はUR賃貸が占め、残りが公営賃貸と民間マンションだったようです。1世帯あたり4人近い人数で計画人口を産出したものと思われますが、1世帯あたりの人数は2000年時点で2.49人でその後も減少を続けています。
 にもかかわらず人口が減っていないのは、新しいマンションが建ち、世帯数が増えているからです。兵庫県神戸市中央区の不動産アーカイブを見ると、当初の計画では業務地区や緑地だった所にもマンションができています。
 スーパーは、みなとじま駅のグルメシティとトーホーストア(トーホーストアポーアイ店がリニューアル)の2店舗です。2006年にイズミヤが出店しましたが、2010年に撤退しています(イズミヤスーパーセンター神戸ポートアイランド店 - 基礎情報 )。


医療関連産業を集積
 神戸市は、阪神・淡路大震災(1995年1月17日)の復興事業として「神戸医療産業都市構想」を始めました。計画は、ポートアイランドに先端医療技術の研究開発拠点を整備し、医療関連産業の集積を図ろうというものです(神戸医療産業都市)。
 2021年10月時点で、約370の先端医療の研究機関、高度専門病院群、企業や大学の集積が進んでいます。立地場所は、第2期の業務施設、製造工場用地、緑地に広がっています(施設マップ) 。


STAP騒動を起こし組織改編
 神戸医療産業都市の主な歴史は次のようになっています(神戸医療産業都市の歴史)。2000年、理化学研究所の「発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)」設立。2010年、理化学研究所の「計算科学研究機構(現在の計算科学研究センター)」設立、スーパーコンピュータ「京」の運用。2011年、スーパーコンピュータ「京」が世界1の計算速度を達成。2012年、スーパーコンピュータ「京」供用開始。
 なお、「発生・再生科学総合研究センター」は、2014年にSTAP細胞騒動を起こし、研究室半減、組織改編し、「多細胞システム形成研究センター」と名称を改め(理研CDBが組織改編、研究室半減)、さらに2018年、「生命機能科学研究センター(BDR)」に統合されています(BDRについて)。

 ポートアイランド第2期では、まだ空き区画があるようです(白抜き数字部分、ポートアイランド(第2期) | 神戸市 企業進出総合サイト KOBE BUSINESS WIND)。なお、第1期は、すでに分譲済みです(ポートアイランド(第1期))。


朝の三宮駅発は満員ラッシュ
 三宮駅発のポートライナーは、次のように午前8時00分から8時40分頃が混雑のピークとなっています(お客様へのお願い | 神戸新交通混雑の見える化)。

 ポートアイランド線の各駅の1日の乗降客数は次のようになっています( ポートアイランド線 神戸新交通 営業の駅乗降客数ランキング | オープンポータル)。

 この数字からは、1日およそ4万人がポートアイランド線を使って、島外と島内を往復していると推測されます。ポートアイランドの人口は、1万5000人ほどです。そのうち1万人が通勤、通学、買い物などで島外に出かけるとしたら、その3倍の3万人が通勤、通学などで島外から島内にやってくることになります。
 ポートアイランドには、ワールド、UCC上島珈琲、アシックスが本社を置いていますが、次のグラフ( 地域分析(2011-010):神戸ポートアイランドに本社を置く企業の立地動向)にあるように、1980年に第1期造成が完了して以来、毎年50社前後が移転・新設され、2010年時点で、およそ300社となっています。

 転入企業の約80%は神戸市内からの移転で、中央区と兵庫区からの移転が目立っています。

 一方、神戸医療産業都市構想により、 第2期造成区域を中心に、「約370の先端医療の研究機関、高度専門病院群、企業や大学の集積」しているそうですから(神戸医療産業都市とは|KBIC 神戸医療産業都市ポータルサイト)、ポートアイランド全体では、700近い事業所や研究機関などがあることになります。

朝のラッシュは六甲ライナーも
 ところで、住吉駅発の六甲ライナーも、次のように午前7時50分から8時20分頃が混雑のピークとなっています(お客様へのお願い | 神戸新交通混雑の見える化)。ただし、ポートライナーは、2分に1本の過密ダイヤであるのに対し、六甲ライナーは3分に1本ですから、六甲ライナーの混雑のピークはポートライナーの半分程度といえそうです。